マニュアルは、「答え」なのだろうか。
「この場合は、どうすればいいですか?」
「マニュアルには、何て書いてある?」
「このケースは、書いてありません。」
仕事を標準化するために、マニュアルをつくる。
誰が担当しても同じ品質で仕事ができる。
ミスを減らせる。
新人にも仕事を教えやすくなる。
マニュアルを整えることは、会社にとって大切なことです。
ところが、「書いてあることはできるけれど、書いていないことは判断できない。」
そんなことが起きることがあります。では、問題はマニュアルにあるのでしょうか。
それとも、
マニュアルを「答え」として使っていることにあるのでしょうか。
マニュアルを増やせば、仕事は良くなる?
ミスが起きた。「同じミスが起きないように、マニュアルに追加しよう。」
新しいケースが出てきた。「これも手順に入れておこう。」
例外が起きた。「例外時の対応も書いておこう。」
こうして、マニュアルは少しずつ厚くなっていきます。
もちろん、必要なルールや手順を明確にすることには意味があります。でも、現場で起こることを、すべて事前に書いておくことはできません。
それでも「正しい行動はマニュアルの中にある」と考えてしまえば、新しい状況に出会うたびに、
「どこに書いてあるか」を探す仕事 になってしまいます。
標準があるから、違いに気づける。
ここで、「標準」という言葉から考えてみます。
標準があると、「いつもは、こうしている。」という基準ができます。
基準があるからこそ、「今日は、いつもと違う。」「ここで時間がかかっている。」「このやり方では、うまくいかない。」という違いにも気づくことができます。
そして、「なぜだろう。」「もっと良いやり方はないだろうか。」と考えることができる。
標準は、仕事を固定するためのものではなく、改善するための出発点にもなる。
そう考えると、マニュアルの見え方も変わってきます。
マニュアルから行動を探すのではなく、標準を土台に、次の行動を考える。
今日の改善が、明日の標準になる。
マニュアルにない状況に出会った。
現場で考えた。試してみた。
もっと良いやり方が見つかった。
それを、「次からは、このやり方にしよう。」と共有すれば、新しい標準になります。
そして、その標準も永遠の答えではありません。また問題が見つかれば、考え、変えていく。
標準があるから、改善できる。
改善するから、標準が変わる。
この繰り返しによって、仕事のやり方そのものが少しずつ育っていきます。
マニュアルに書いていないことが起きたとき。
探すべきなのは、「正解が書いてあるページ」だけではないのかもしれません。
あなたの会社のマニュアルは、人を動かすための「答え」になっていますか。
それとも、より良い仕事を考えるための「出発点」になっていますか。
POINT
この記事のテーマは、**「PDCAサイクル」**につながる考え方です。
PDCAは、計画を立てて実行し、その結果を確認し、改善するという一連の循環を表したものです。
>標準やマニュアルも、一度決めたものを守り続けるだけではなく、実際の仕事から問題を見つけ、改善し、より良い標準へ更新していく。その繰り返しによって、仕事のやり方を継続的に改善していくことができます。
→ PDCAとは何か