お客様は、本当に「商品」を買っているのでしょうか。
「うちの商品は品質が良い。」「価格には自信がある。」「技術力なら負けない。」
経営者から、よく聞く言葉です。
もちろん、それらは会社の強みかもしれません。しかし、お客様は本当に、その商品やサービスそのものを選んでいるのでしょうか。
ホテルなら、「部屋」ではなく、思い出になる時間を買っています。
建設業なら、「家」ではなく、安心して暮らせる未来を買っています。
例えば製造業なら、「金属部品」ではなく、故障しない安心を買っています。
お客様は商品そのものではなく、その先にある価値を選んでいるのです。
「何を売るか」より、「何を届けるか」。
もし明日、同じ品質、同じ価格の商品を販売する会社が現れたとします。
それでも、お客様はあなたの会社を選び続けてくれるでしょうか。
価格でしょうか。
品質でしょうか。
それとも、信頼でしょうか。
経営者が考えるべきなのは、「何を売るか」だけではありません。
「お客様は、この商品を通じて何を手に入れているのか。」
その視点で会社を見つめ直すと、自社の強みも、伝えるべきことも変わってきます。
あなたの会社は、何を届けていますか。
一度、自社の商品やサービスを書き出してみてください。
そして、その隣に、
「お客様は、この商品を通じて何を手に入れているのだろう。」
と書いてみてください。
安心かもしれません。
便利さかもしれません。
信頼かもしれません。
あるいは、お客様の未来かもしれません。
その答えが見えてくると、「商品を売る」という発想から、「価値を伝える」という発想へ変わっていきます。
POINT
この記事のテーマは、経営学では**「顧客価値」**という考え方につながります。
企業が考える「良い商品」と、お客様が感じる「価値」は、必ずしも同じではありません。お客様が商品やサービスから何を得て、どのような価値として受け取っているのか。その視点から自社の商品を捉え直す考え方が、顧客価値です。