人が集まれば、「組織」になるのだろうか。
会社をつくる。
人を採用する。
部署をつくる。
役職を決める。
これで「会社」はできます。
では、これで「組織」もできたのでしょうか。
同じ会社で働いている。
同じ名刺を持っている。
同じ就業規則のもとで働いている。
それでも、一人ひとりが別々の方向を向いていたら。
会社に人がいることと、人が組織として動いていることは、同じではないのかもしれません。
会社に属することと、組織に属すること。
営業は、売上を伸ばしたい。
製造は、安定してつくりたい。
管理部門は、ルールを守ってほしい。
それぞれが自分の仕事をきちんとしていても、会社全体として同じ方向へ進むとは限りません。
「それは営業の仕事だから」
「製造には関係ない」
「上から言われたからやる」
そんな言葉が増えていく。
組織図では、確かにつながっています。
でも、組織図の線で人をつなげれば、組織になるわけではありません。
会社に所属することは、雇用契約によって決められます。
けれど、同じ目的に向かって、それぞれの力を持ち寄り、互いに関わりながら仕事をする。
そこには、契約や組織図だけではつくれないものがあります。
同じ会社で、同じ目的に向かっているか。
会社には、さまざまな人がいます。
仕事内容も違う。
立場も違う。
考え方も違う。
全員が同じことをする必要はありません。
むしろ、違う仕事をする人たちがいるから、一人ではできないことができます。
だからこそ必要になるのが、
「私たちは、何のために一緒に仕事をしているのか。」
という共通の方向です。
その方向が見えなければ、自分の仕事はできても、それが誰の仕事とどうつながっているのかは分からない。
そして、目的があるだけでも足りません。
その目的のために、自分も力を出そうと思えること。 必要な情報や考えを、互いに伝え合えること。
そうした関係があって、初めて人は一緒に動き始めます。
会社をつくることは、組織をつくることなのか。
会社は、登記をすればつくれます。
人を採用することもできます。 部署や役職を決めることもできます。
でも、それだけで人が同じ目的に向かって協働するとは限りません。
会社という「器」があることと、組織として人が動いていることは違う。
人は、何のために集まっているのか。
その目的に力を出そうと思えているか。
そして、互いに意思を伝え合えているか。
会社が大きくなり、人が増えるほど、こうしたことは自然には生まれにくくなります。
会社をつくることはできても、組織はつくり続けなければならない。
あなたの会社には、人がいます。
では、そこに「組織」はありますか。
POINT
この記事のテーマは、**「バーナードの組織論」**につながる考え方です。
バーナードは、組織が成立するためには、共通目的・協働意欲・コミュニケーションという3つの要素が必要だと考えました。
人が同じ会社に所属しているだけではなく、共通の目的を持ち、そのために協力しようとし、互いに意思を伝え合う。バーナードの組織論は、「人の集まり」がどのようにして「組織」になるのかを考える視点を与えてくれます。