「理屈は分かる。でも、現場はそんなに単純じゃない。」
経営の本を読んだり、セミナーに参加したりして、そんなことを感じたことはないでしょうか。
「それは大企業だからできるんだよ。」
「うちは社員10人だから。」
「理論通りにいけば苦労しないよ。」
確かに、その通りかもしれません。
会社には、それぞれ違う事情があります。働いている人も、お客様も、置かれている環境も違います。
では、経営理論は現場では役に立たないのでしょうか。
理論は、「答え」ではなく「考えるための視点」。
例えば、
「社員がなかなか自分から動いてくれない。」
そんな悩みがあったとします。
「最近の若い人は受け身だから。」
そう考えることもできます。
でも、「人はどんなときに自ら動くのか」という理論を知ると、少し違う見方ができるかもしれません。
「任せているつもりだったけれど、実は全部こちらで決めていたな。」
「頑張っても評価が変わらない仕組みになっていないか。」
同じ出来事でも、見る角度を変えると、違う原因が見えてくることがあります。理論は、会社の問題に答えを出してくれるものではありません。自分の経験を、別の角度から見直すための道具なのです。
経験だけでも、理論だけでも足りない。
経営者には、長年の経験があります。
お客様とのやり取り。
社員との関係。
うまくいったこと。
失敗したこと。
その経験は、とても大切な経営の財産です。
一方で、経験だけで考えていると、「これまでこうだったから」という見方から抜け出せなくなることもあります。
そこで、一度違う視点を入れてみる。
「あの出来事を、この考え方から見たらどうだろう。」
理論と照らし合わせることで、自分では気づかなかったことが見えてくるかもしれません。
学ぶことは、「正解を覚えること」ではありません。
理論を知る。
自分の経験と照らし合わせる。
一つ試してみる。
うまくいかなければ、また考える。
そして、そこから新しい経験が生まれる。
経営の学びは、この繰り返しなのかもしれません。
だから、
「うちの会社には当てはまらない。」
と思ったときこそ、一度だけ、
「では、うちの会社ならどう考えればいいだろう。」
と問い直してみてください。 そこから、理論が自分の会社で使える「知恵」に変わり始めます。
POINT
この記事のテーマは、「経験学習」につながる考え方です。
経験は、それだけで自動的に学びになるわけではありません。経験したことを振り返り、そこから何かを考え、次の行動を試す。その結果をまた経験として捉え直していく。
経営理論も、現場にそのまま当てはめる「答え」ではなく、自分たちの経験を別の角度から考えるための視点として使うことができます。
→ 「経験学習」とは