昔うまくいったやり方が、会社を止めていないか。

2026.10.09
改善する

社長一人で決めた方が、早かった。

会社を始めたばかりの頃。
何かあれば、社長に聞く。
社長が判断し、その場で決める。
細かなルールはなくても、みんながお互いの仕事を知っている。
人数が少なければ、それで十分に仕事は回ります。
むしろ、会議や申請書を増やすより、ずっと速い。

ところが、社員が増え、仕事が増え、組織が大きくなっても同じやり方を続けていると、
「社長の確認待ちで進まない。」
「人によってやり方が違う。」
「誰が決めるのか分からない。」
そんなことが起こり始めます。

以前は会社の強みだったやり方が、いつの間にか会社を止める原因になる。
そんなことがあります。

会社が変われば、必要な仕組みも変わる。

人数が少ない会社では、顔を合わせて話せば伝わります。
誰が何をしているかも分かる。
困ったことがあれば、その場で相談できる。
でも、人数が増えれば、それだけでは仕事が回らなくなります。

そこで、
役割を決める。
権限を分ける。
仕事を標準化する。
ルールや仕組みを整える。
以前なら「面倒だったもの」が、会社を動かすために必要になってきます。

つまり、
会社にとって良いやり方は、いつも同じとは限らない。
会社が変われば、仕事の進め方も変える必要があります。

仕組みをつくれば、それで終わり?

では、ルールや仕組みを整えれば、会社はずっとうまく回るのでしょうか。
組織が大きくなるにつれて、
申請が増える。
会議が増える。
部門が分かれる。
責任や権限が明確になる。

こうした仕組みは、会社を安定して動かすために必要です。
ところが、増えすぎれば今度は、
「決めるまでに時間がかかる。」
「それは、うちの部署の仕事ではない。」
「ルール上、できません。」
ということが起こる。

会社を動かすためにつくった仕組みが、今度は会社を動きにくくする。
そんな逆転も起こります。

「良いやり方」にも、賞味期限がある。

会社には、成長の段階があります。br> 立ち上がったばかりの会社。
社員が増え、組織らしくなってきた会社。
役割や仕組みが整い、安定して仕事ができるようになった会社。
さらに大きくなり、部門を越えた連携や柔軟な動きが必要になってきた会社。
それぞれの段階で、会社が抱える問題は変わります。

だから、
「このやり方で会社は成長してきた。」
という事実だけでは、そのやり方を続ける理由にはならないのかもしれません。

以前は必要だったものを、やめる。
以前は必要なかったものを、つくる。
うまくいっている仕組みそのものを、見直す。
改善とは、今ある仕事をもっと効率よくすることだけではなく、会社の今の姿に合わなくなったやり方を変えることでもある。

今の会社に、合っているか。

社長が全部を見る。
ルールをつくる。
仕事を標準化する。
部門を分ける。
権限を委譲する。

どれが正しくて、どれが間違っている、ということではありません。
大切なのは、
「今の会社に、そのやり方が合っているか。」
ということです。

会社が変われば、必要な仕組みも変わる。
そして、その仕組みによって会社が成長すれば、また次の問題が生まれる。

だから改善には、
「今のやり方の、どこが悪いのか。」
だけでなく、
「このやり方は、今の会社にもまだ合っているのか。」
という問いも必要なのかもしれません。
昔うまくいったやり方を守ることと、会社を守ることは、同じではありません。


POINT

この記事のテーマは、「組織ライフサイクル」につながる考え方です。

組織は、成長していく過程で、そのあり方や直面する課題が変化していくと考えられています。立ち上がったばかりの組織に必要なものと、規模が大きくなった組織に必要なものは、必ずしも同じではありません。会社の成長段階によって、必要となる仕組みやマネジメントも変わっていく。

組織ライフサイクルは、そうした会社の変化を考えるための視点になります。

→ 「組織ライフサイクル」とは

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